栽培漁業について知っていますか?
栽培漁業は、水産動物の減耗が最も激しい卵から稚仔の時期を人間の管理下において種苗を生産し、これを天然の水域へ放流した上で適切な管理を行い、対象とする水産動物の資源の持続的な利用を図ろうとするものです。
対象種の水産資源への加入量を積極的に増大させるだけでなく、放流水域における水産管理を通じ、対象以外の水産動物をも包括した資源管理の展開を促進し、水産資源の安定化と増大に資することを目的としています。
栽培漁業の推進は、国が策定した「水産動物の種苗の生産及び放流並びに水産動物の育成に関する基本方針(栽培漁業基本方針)」と、各都道府県が基本方針と調和を図って策定した「栽培漁業基本計画」に基づいて行われており、各都道府県の栽培漁業センター等で生産され放流に適した大きさに育てられた人工種苗の放流と、漁獲サイズ制限等の漁獲管理を中心とした取組が行われています。
栽培漁業の対象となっている代表的な水産動物としては、魚類ではヒラメ、マダイ、ニシン、トラフグ、キジハタ、カサゴ、かれい類(マコガレイ、マツカワ、ホシガレイ)、甲殻類ではクルマエビ、ガザミ、貝類ではアワビ類、ホタテガイ(天然採苗)、アサリ(天然採苗)があげられます。
なかでもヒラメ、トラフグなど都道府県の区画を超えて広域に回遊する魚種については、広域的な連携のもとで栽培漁業の取組を行う必要があるため、全国6海域で関係道府県の行政、漁連(漁協)、栽培漁業関係法人及び(公社)全国豊かな海づくり推進協会を会員とする「海域栽培漁業推進協議会」が組織されています。
各海域栽培漁業推進協議会は、以下の「栽培漁業広域プラン」を策定し、広域連携のもとで対象種の資源の回復や維持・安定を目指した取り組みを行っています。